・地域性について
ペットシッターはやはり東京が一番多く、神奈川県、大阪についで埼玉、千葉の順になります。地方にもペットシッターを専門に営んでいる方はいらっしゃいますが、まだシッターの社会的認知は薄いです。
まだ認知の低い地域でも、ペットシッターをこれから始めようとするのであれば今がチャンスとも言えるでしょう。住宅街、巨大ショッピングモールがある、ペットショップやトリミングサロンが近くにある・・そういう場所はペットを飼われている方が多いと考えることができます。その範囲内の集客を想定して始められるのもありでしょう。ご自身の想定する営業地域によって、求められるサービスも違ってくるはずです。お年寄りのケアや、買い物、家事手伝いなどを盛り込むなど、様々なサービス拡大も視野に入れるとよいですね。
ペットシッター自体の需要は順調に増えて来ています。メディアでも取り上げられ認知度も一般的には上がって来ています。ペットをサポートするサービスは、地域と人とのつながりに大きく関わるお仕事ともいえます。私たちの気配り、優しさ、フットワークの良さが、他に必要とされお役に立てることは意外に探すと沢山あるかもしれません。
・料金設定について
サービス料金についてはご自身の営業形態や営業地域により、よく検討が必要です。
まずは営業地域における直接競合(既に営業しているペットシッター)や間接競合(ペットホテルや動物病院のホテルなど)の料金体系を調べ、地域の標準価格を知りましょう。
その上で、それより高く設定するならば、より高いサービス内容を検討すべきですし
安くするなら、それでも「安かろう悪かろう」と言われない良いサービス内容を検討すべきです。
ただPACとして「信頼と安心・質の高いシッター」を目指して頂きたいという観点からあまりの「安売り」はおすすめ致しません。
料金については特にオープン当初は変更したい気持ちになるものです。
例えばオープンして2~3週間まったく問い合わせがなかったら・・・
散々考えて決めたお値段のハズなのに「やっぱり高すぎたかな~500円下げてみようかな」なんて弱気になってしまうのが人情というものです(それでもビクともしない位の意思をお持ちいただきたいものですが)。
そんな時のためにお勧めしたいのは、少なくとも最初のうちは詳細の料金はあまり色々な所に記載しないことです。
チラシや名刺やホームページ以外の口コミサイトやFacebookの記事、ブログなど、色々な所にサービス料金を細かく記載してしまうと、後で変更をする際に大変な手間になります(最悪変更ができなくなってしまいます)。
ご自身のホームページの料金表示の所にのみ詳細料金の一覧を記入し、他の販促物などには「ドッグシッター2500円より」「キャットシッター2000円より」などのように幅をもたせた書き方にとどめておき、全てに「詳細はホームページをご覧ください」としておくのが無難でしょう。その上で変更や詳細はすべてホームページ上に記載しておきましょう。こうすることでお客様がまずホームページをご覧になってくださるキッカケも作ることができます。
(その後のためにもヨリ良い素敵なホームページを用意しておくことは言うまでもありません)
・サービス範囲(依頼をお受けする場所・出張費との兼ね合い)
特に最初のうちはどんなに遠いお客様でも1人でも多くご依頼を受けたくなるものですが、実際にシッター業務をこなすにあたって「遠方のお客様」はかなり大変です。お客様のお宅に行くのに往復2時間3時間かかっては業務としてはまったく割に合いません。
別にそれなりの出張費を頂けば良いとも言えますが、お客様に追加で1000~3000円頂いても赤字がなくなる程度でしょうか。
遠方でも打ち合わせにも行かなければいけませんし(基本的に打ち合わせは無料としている事が多く、打ち合わせで断られては元も子もありません)そのお客様がリピーターになって下さった場合、繁忙期にご依頼いただいても出張時間が長過ぎて他のお客様の件数がこなせなくなってしまう為、お断りする事になるでしょう。
お客様にも出張費と交通費をプラスでご負担いただくのは申し訳ないかもしれません。
お電話で最初にお客様のお住まいをまず聞くのはその為です。
もし、遠いところからお電話を頂いたときは諸々の事情をお話しの上で「お近くのペットシッターさんを探されて見つからなければお電話いただけますでしょうか?」とお伝えすると柔らかいと思います。
効率的に考えれば、往復で1時間~2時間の範囲で複数のお客様をグルグル廻ってこなしていくのがベストです。
身近な範囲で営業をしていた方が何かあった時にも直にかけつけて対処できるので、安心ともいえます。
お散歩中にトラブルになった時なども、ある程度土地勘があった方が対処しやすいものです
ホームページなどに受付可能範囲を記載する際、このようなことを参考にしてみてください。
・制服について
考え方にもよりますが、お店としてシッターの制服は可能な限り準備すべきです。
実際にシッターをするにあたっては、毛などもつきますし、匂いもつきます。毎回ある程度汚れる事は確実です。
「仕事の時の服装」を決めておくことはシッター自身の気持ちの上でも楽であり、また気持ちの切り替えにも有効です。制服といってもわざわざ制服屋さんで新調しなければいけないわけではありません。
簡単に着替えが出来るタイプで、洗濯もしやすく、見た目的にもいい物。
よく制服に使われるのは、ポロシャツにチノパン、腰巻きのエプロンなどです。キチンとした感じもあり、シッターらしい格好に見えるでしょう。カラーをお店のイメージに合わせておくのも良いですね。
ポロシャツにチノパンなど、揃えるといっても1人1万円もかからないですし、ネットで探すのも不自由しない時代です。ポロシャツの襟元にPACのピンバッチをつければ なかなか清潔感のあるシッターさんになれるでしょう。

揃いの制服を新調して刺繍やワッペンでロゴをいれてみようとするのも、今はかなりお安く可能です。刺繍代1着につき500円~1000円前後となっていて、(型代別途5000前後)高い物ではないようです。気に入ったロゴなどを積極的に使って行こうとお考えの方はロゴ入り制服も是非検討されてみてください。責任感が一段とわいてくるかもしれません。

制服を選ぶのは自分の好みもあると思いますが、お客様が鍵を預けて留守を託しても大丈夫だと確信できる雰囲気の制服であり、清潔感のあるものが好ましいと思われます。
ヒラヒラしていたり、リボンがついていたり、カラフルであったりするのはどうかと思いますが、それをコンセプトとし個性として売りにする、と思えば新しいペットシッターの形かもしれませんね。