<ペットホテルの設備>

ここからは店舗経営しているペットホテルの施設について紹介していきます。フリースペースペットホテルにも繋がる点が多いので参考にされてください。
ペットホテルの設備は愛犬家が見て「充分」以上の内容を備えている事と、愛犬家が「ここなら可哀想ではない」と判断するレベルのものでなくてはいけません。

●愛犬家が見て、「充分な設備」とは

1.十分な広さの個室に収容される事
2.清潔である事
3.多頭のペットとの同室ではない事
4.個別の食餌管理に応じてくれる事
5.お世話をしてくれるスタッフと面識がある事
6.定期的なお散歩に連れて行ってくれる事
7.被毛の手入れをしてくれる事
8.預けている間のペット達の状況を把握できる事
9.体調が悪くなった場合の対処法がある事(動物病院併設・提携先がある事)

これらの愛犬家の要望は完全に答えようとすると採算に見合うものではありません。しかしペットホテルスペースを新規に設計する場合には念頭に置くべき項目になります。また、実際にペットホテルスペースを設計するにあたっては、管理面、合理性に重点を置き、次の事項を考慮して設計するとよいでしょう。

1.預かり犬の逃走予防対策ホテルスペースとショップの間にはロックできるドアが必要。ドアは預かりの側から引いて開く構造にする。できればセキュリティを考え2重・3重のドアが理想。

2.消毒作業が容易である事不特定の生体が入れ替わるケージ内は、伝染病疾患や皮膚病予防の為、その都度清掃と消毒を入念に行う事が必要。このため、ケージの材質はステンレスなどの液剤で消毒が可能なもの。

3.空調が可能である事ホテルスペースの適正温度は個別の犬猫種が混在する事によって一定にする事は難しい。ケージの上下位置による温度差も大きい為、ケージの中で個別に暖房器具(アンカのようなもの)を設置する事も考えなければならない。夏場に於いては、閉め切ったスペース内で多くの生体を管理する為、かなりの高温となることを考えなければなりません。特に夏場は生死にもつながることもあり、温度調節にあわせて換気に重点をおく事は重用視しなければならない。

4.騒音の問題ショップの近隣環境によっては預かり犬の吠え声にたいする苦情を防止対策も考えなければならない。一般にストレスを付加したままの状態で犬に吠える事をやめさせるのは困難である。吠え続ける犬の体温は異常に上昇しているので狭いスペースに閉じ込めたり、口輪をするなどの対策は酸欠と熱射病の原因となるので決して行うべきではない。犬の吠え声は他の生体(特に猫)にストレスを加える事になるので、分散収容も可能な設計をすなければならない。

<預かり時の注意点>

●食餌管理について

預かる犬の食餌については、預かる前に日常食べているものを持参してもらう事が必要になります。
・日常食べているものと同じものである(日数分の分量があるか確認)
・分量同じ分量をあたえるばきである。
通常預けられたペットは環境変化のストレスにより、食欲が大幅に低下するものです。日常、食べ慣れた食餌でさえ消化不良を起こす事が殆どです。
また、犬によっては極度のストレスから全くご飯を食べず、獣医によって栄養剤の注射に至るケースもまれにあります。
預かりの犬の管理に関して「空腹になれば食べるだろう」という容易な考えは通用しません。
日本犬を代表とする神経質な犬種の長期預かりは管理者がその犬との面識を有する場合をのぞいて開業初期には断った方が無難でしょう。
体調を崩す、精神的に壊れるといった最悪の事態を起こす事は想像がつきます。

●ペットホテルの管理状態について

ペットホテルの運営では、生体がらみの多くのトラブルは緊急を要する事が特徴で常時「預かり犬」に対する注意を怠らず不測事態には迅速な対処ができる体勢と予備知識が必要となります。

また、ケージレスのペットホテルにする場合、預かり犬通しの喧嘩、事故は常に意識しているべきであり、その回避をできるだけの収容頭数を設定しなければなりません。また、大型犬と、小型犬を分けての飼育は必要であり、預かるペットの性格を買い主から事前に聞いておくことは必要です。
しかし一方で、飼育環境の変化により、普段では見せない行動も起こす事も考慮して、ケージレスでの預かりには最新の注意を払わなければなりません。

●預かり証の発行

不測の事態が発生した場合に備えて、飼い主との間で「ペットホテルの約束事」を記した「預かり証」などの書面を交わしましょう。預かり証には一般的事項の他、下記について明記し、飼い主に署名してもらい「控」をショップ側で保存する形式が良いでしょう。
・ペットの呼び名
・緊急の際の連絡先
・食餌内容
・分量
・回数
・預かり期間(お迎えの日時)
・服用している薬
・今までにかかった病気
・お返しの日にトリミング・シャンプーが必要であるか。
・万が一の際の保証の範囲
・預かり期間経過後一定期間連絡がない場合には任意に犬を処分する旨の記載
・リードや食器など預かった物品を記入
・ワクチン接種と狂犬病の接種の証明書
・食物アレルギー又はその他のアレルギーの有無

<ペットホテルのご依頼頂いてからお預かりまでの流れ>

●電話での対応内容

・犬種
・猫種
・頭数
・預かり日数
・性格
・咬み癖があるかないか
・ペットホテルに預けた事があるか
・大きな病気をした事があるか
・預けるあたっての注意点
・健康であるか(介護が必要である場合はお断りする場合がある。)

●お客様に持ってきてもらう道具の説明

・ドッグフード(薬などあれば)
・リード(洋服なども必要であれば)
・お気に入りの毛布など
・狂犬病とワクチン接種の証明証
・オヤツ(アレルギーがあるこは特定のオヤツを持参)

●事前打ち合わせ

特にフリースペースのペットホテルの場合、初めての利用の場合は打ち合わせに充分な時間をかけましょう。お客様にも安心していただけますし、ホテル側としてもどのような飼い主様なのか把握し、ペットの性質を見極めることが可能です。ペットホテル側の方針、時間配分、規定などは充分に理解していただいた上で、できる範囲でお客様のご要望にもお答えする事が望まれます。少しでもいつも通りの生活習慣を維持してあげる事で、ストレスを減らす事ができます。

・ご飯の用意の仕方(家ではかけ声、一芸、など、ご飯を与えるにあたってもやり方が様々です。)
・ご飯の回数
・時間
・お散歩の回数
・時間(トレーニングはされているのかも確認)
・ウンチの量、オシッコの回数(ウンチの大きさ、固さ、個数・色)
・オヤツの有無(あげるタイミング)・寝る時の状況(一人で寝るのか、家族と添い寝しているのか)
・トイレは室内でもできるか否か
・雨の日のお散歩の有無
・他犬とのコミュニケーションがとれるかどうか
・一番好きな事(お散歩なのか、オモチャで遊ぶ事が好きなのか、撫でてもらっているのが一番すきなのか)
・普段の生活スタイル(1頭飼いの犬ちゃんは特にお散歩後は静かに寝るなど、静かな環境を好むのであれば別室を用意しましょう。)

事前の打ち合わせで、お客様と犬と共にお散歩コースを一緒に回るという行程をする事で、ウンチの固さ大きさ、色などの状態を確認する事はとても重要と考えます。人の左を歩くのか、右を歩かせているのか、それとも自由に歩かせているのかなど。細かく言えばキリがありませんが預けるにあたっての初めての打ち合わせでお客様も神経質になっているものです。なるべく手間ひまをかけ信頼していただけるように心がけましょう。(ただしお客様の様子によります、面倒だと思われているようなら無理に長引かせて嫌われる必要はありません

2回目以降のご利用であれば、特に前回と変わりないことが確認できれば打ち合わせも特に必要ありません。ご飯の変更や薬の有無、体調の確認だけで大丈夫でしょう。

●お支払いについて

基本は先払いになりますが、国外へのご旅行などの場合、飛行機の都合で予定の日程に帰国できない場合などがあり追加料金を頂くこともあります。
追加の場合の料金設定やお支払いについても事前に明確にしておきましょう。

<ペットホテルのリスク>

ペットホテル以外にペットシッター業も最近では認知されはじめ、ペットホテルに預けるかペットシッターに来てもらうか・と悩まれる愛犬家愛猫家も増えてきています。
ペットシッターとの一番の違いは、料金が安く・気兼ねなく預けられ(鍵を預ける必要がない)・見守っている時間が長い。ということになります。(最近ではホテルでもペットシッターより高額のところもあります)

一方、シッターとは違いホテルで預かる場合、どうしても環境の変化によるストレスによって体調不良、食欲不振などに陥りやすい為、常に細心の注意を払わなければなりません。

体調を崩すことを前提に契約書を作成し、預かることへの了解を得ることは必須です。