<ペットとPL法>
PL法(製造物責任法)は製造物に対する製造者の責任を明確にする法律ですが、「ペットビジネスにおける生体が製造物に当たるかのどうか」の問題がクローズアップされています。

PL法では製造物とは「製造または加工された動産」と定義されており、家畜の飼育や水産物の養殖などによって生産されたものはPL法に該当しないという見解が示されています。
これに対し、現在の家畜繁殖や農水産物の生産は高度な化学・工業技術を駆使することによって成り立っており、自然産物とすえるには当たらず製造物とすべき…との意見も多くなっています。
実際に農業では「作物」、ペット業界では子犬の「作出」という言葉が普通に使用されていて、概念的には自然産物よりも製造物としての認識が強いのです。

現行の生体販売では消費者とのトラブルに際し、販売者は民法570条の瑕疵担保責任*を負うことになります。多くの生体販売業者は瑕疵担保責任者免除を特約とした文章などを交付して営業を行っていますが、実際にトラブルが発生した場合は、ほとんどの業者が柔軟な対応をしているのが現状です。
*「瑕疵担保責任」は2020年4月の民法改正により「契約不適合責任」に変わり、買主に今までよりも多くの権利が認められるようになりました