・地域性について
ドッグトレーニングの需要は本来なら全国的に、すべての犬種に等しくあるもののはずです。「ドッグトレーナー」という職業については世間的にかなりの認知度があるとも言えるでしょう。そうは言うものの、では「職業としての」需要が全国区であるかというと・・淋しいことですがそうでもないのが現状といえます。
特にいまだに外飼いの犬が多く鎖でつながれた番犬が多いような地域では、正直に言ってオカネを払ってまでしつけを学ぼうと思う愛犬家がどの程度いるかは難しいところです。トレーナーとしての開業を目指すにしても、トレーニング1本ではなかなか厳しいものがあるでしょう。トレーニング イコール 警察犬訓練としか考えていない方もまだまだ多いものです。

最低限必要な売り上げや開業時の環境、ご自分のスキルによってどんなスタイルを選ぶかは変わってきますが、トレーニングだけで集客が見込める地域なのか、総合的なペットサービス事業を目指してその中の1つのメニューとして「ドッグトレーニングもやっている」という形が現実的なのか・・ここは冷静な判断が必要です。
・料金設定について
料金についてはご自身の営業形態や営業地域により、よく検討が必要です。まずは営業地域における直接競合(既に営業しているドッグトレーナーや近所の警察犬訓練所(一般の愛犬のしつけも受けているところもあります)などの料金体系を調べ、地域の標準価格を知りましょう。それより高く設定するならば、より高いサービス内容と成果を期待されて当然ですし、安くするなら、それでも「安かろう悪かろう」と言われない良いサービス内容を目指さなければなりません。

料金については特にオープン当初はいろいろ悩んで、途中で変更したい気持ちになるものです。例えばオープンして2~3週間まったく問い合わせがなかったら・・・散々考えて決めたお値段のハズなのに「やっぱり高すぎたかな~500円下げてみようかな」なんて弱気になるのが人情というものです(それでもビクともしない位の意思をお持ちいただきたいものですが)。
そんな時のためにお勧めしたいのは、少なくとも最初のうちは詳細の料金はあまり色々な所に記載しないことです。チラシや名刺やホームページ以外の口コミサイトやFacebookの記事、ブログなど、色々な所にサービス料金を細かく記載してしまうと、後で変更をする際に大変な手間になります(最悪変更ができなくなってしまいます)。ご自身のホームページの料金表示の所にのみ詳細料金の一覧を記入し、他の販促物などに幅をもたせた書き方にとどめておき、全てに「詳細はホームページをご覧ください」としておくのが無難でしょう。その上で変更や詳細はすべてホームページ上に記載しておきましょう。こうすることでお客様がまずホームページをご覧になってくださるキッカケも作ることができます。(その後のためにもヨリ良い素敵なホームページを用意しておくことは言うまでもありません)
・出張オンリーのトレーニング
どこでトレーニングをするか、も検討の余地があります。
ドッグトレーニングの施設を持つ余裕があるのなら、もちろん施設がないよりはあった方が見栄えも良いですし、お客様から見ても安心感があるでしょう。
それでも本来のドッグトレーニングの意義を考えれば(特に問題行動があるワンチャンの場合)、お客様の自宅にドッグトレーナーが赴き、そこでの生活の様子を見ながら問題行動の原因と思われる点について指摘しアドバイスをするほうが現実的です。

この場合「施設がないから出張しかできない」というマイナスの捉え方でなく「ご自宅に伺わないと意味がないので」と超プラス思考で開業することができますね。リード一本もってお客様のご自宅をたずね、それで仕事がこなせるのであればこんなに格好良いこともないのではないでしょうか。
ものは言いよう・・ということです。
(ただし当然のことですがご自宅でトレーニングをする場合、一挙一動をお客様が見ていますから・・実力は問われます)
ご自分なりの「スタイル」をよく考えてみることが大切です。