<ドッグトレーナーの設備>

出張オンリーで開業されるなら、自宅は事務所であるだけでお客様はお越しになりません。この場合は動物取扱業登録の種別は「訓練」の「飼養施設なし」になります。お預かりやご自身の施設内でのトレーニングをされるなら、もちろん専用の施設を用意する必要があります。もちろんどの程度のトレーニングを目指すかによりますが、こじんまりした空間でも小型犬のトレーニングなら意外と問題なくできるものです。ご自分の用意できる環境の中で、無理ないスペースを用意しましょう。

広さはどうあれ、お客様がいらっしゃる可能性がある場所であれば、愛犬家の視点で見て「充分」以上の内容と清潔感を備えている事が絶対条件です。実際にトレーニングの施設を設計するにあたっては、管理面、合理性に重点を置き、次の事項も考慮して設計するとよいでしょう。

1.逃走予防対策トレーニングスペースと施設の入り口(ドア)の間にはロックできるドアが必要です。ドアは犬が押して開いてしまうのを避ける為、犬がいる側から「引いて」開く構造にする。できればセキュリティを考え2重・3重のドアが理想。

2.消毒作業が容易である事不特定の生体が入れ替わりで入るスペースは、伝染病疾患や皮膚病予防の為、その都度清掃と消毒を入念に行う事が絶対必要。床面やケージなどは消毒が可能な素材を選ぶこと。

3.空調が可能である事一時的にとは言えお客様の犬をお預かりするからには空調は絶対に必要です。温度調節にあわせて換気にも重点をおき、湿度にも注意を払わなければなりません。

4.騒音の問題施設の近隣環境によっては犬の吠え声にたいする苦情対策も考えなければなりません。設計の時点で窓の位置、換気扇の向き、防音材の設置など、「音」に対しても配慮を心がけましょう。

<預かり証の発行>

一時的なトレーニングのためのお預かりだとしても、色々な不測の事態が発生した場合に備えて、飼い主との間で「約束事」を記した「預かり証」などの書面を交わしましょう。預かり証には一般的事項の他、下記について明記し、飼い主に署名してもらい「控」をショップ側で保存する形式が良いでしょう。

・ペットの呼び名
・緊急の際の連絡先
・預かり時間(お迎えの時間)
・万が一の際の保証の範囲
・預かり期間経過後一定期間連絡がない場合には任意に犬を処分する旨の記載
・リードや食器など預かった物品を記入
・ワクチン接種と狂犬病の接種の証明書
・食物アレルギー又はその他のアレルギーの有無